裁縫道具について
常備しておきたいもの
さらしと新モス
和裁では、なにかと使うので、晒し(さらし・サラシ)と新モスは常備しておいた方が困りません。
最近では、手芸屋さんでは入手しづらい場合もありますが、おばあちゃん向け衣料店、布団屋さん、小間物屋さんで、店頭にはなくても聞いてみると出してきてくれることもあります。
さらしは、オムツにも使うので、薬局にもあることがあります。
さらしはしっかりしたガーゼのような感じですが、新モスは薄手のブロードのような感じです。
さらしよりツルっとしています。さらしの代わりに使えるので、新モスだけでもなんとかなります。
ただ、浴衣のいしきあてや肌襦袢などの、通気性が欲しい場合にはさらしがいいように思います。
運針の練習で、さらしに鉛筆で線を何本か書いて、そこを縫い・ほどき・縫い・ほどき・・・というのを昔やりましたが、だったら布巾を何枚か縫うほうが建設的な気がしますので、そういう実用品にもおすすめします。
しつけ糸
しつけ糸には、木綿のしつけ糸(しろも)と絹のしつけ糸(ぞべ糸)の2種類あります。
洋裁と同じように、仮止め的や、しるし付け、目印など、色々な所で使います。
絹モノを縫う時には、仕上げの見えるしつけにぞべ糸を使うので必要ですが、浴衣とか肌襦袢、小物を縫うには木綿のしつけ糸だけで十分です。趣味で使う分には、一度買えばかなり長い間もつと思います。
木綿のしつけ糸は、たいていカセの状態(大きい輪にしてねじったツイストドーナッツな感じ)で売っています。
そのままでは使いにくいので、使う前に、ねじれを取った大きい輪をの状態で、輪の途中を端切れなどで結び、輪の片方を切ります。
写真の右側のふさふさしているところが、輪を切った部分です。
使う時には、写真中央上の折れ目の所から、1本ずつ糸を抜くと、からんだり、くちゃくちゃになったりしません。

地縫い糸
縫い糸は、縫う素材に合わせます。
木綿を縫う時は綿糸(細口)、絹モノ・麻は絹糸、ウールは絹糸か化繊糸で縫います。
糸の色は、布と同じ色が目立たないので好ましいのですが、ない場合は少し濃い目の色の糸を選びます。
柄があって、色がそれぞれ違う時は、プロは柄に合わせて何色も使うと聞いた事もありますが、一番面積の多い物に合わせるのが無難ではないかと思います。縞模様で背縫いとか脇とか、明らかに長距離な場合は、縫う場所に色を合わせたいと思います。
糸を選ぶ時は、お店に端切れを持っていくと探しやすいです。
糸はカードに巻いてあるものが多いですが、ボビンに巻いてある糸の方が、折り目がついていないので、縫っている時に結び玉になりにくいように思います。
折り目やクセがついている時は、伸ばしてぴんぴんとはじくか、コテやアイロンで糸を軽く押さえ、すーっと糸を引き抜くと、アイロンがかかってまっすぐになるので縫う時に絡まりません。
縫い針・待ち針
縫う素材や用途によって、針は使い分けます。
細めで短い針の方が、さくさく縫えるように思いますが、無理をすると折れたり曲がったりするので、色々試してみるのがいいように思います。
太さ・長さ・針の穴など、番手やメーカーによって違います。長さや使い勝手には好みがあるので、これでなくてはいけない、という事はないようです。
まち針は、頭にセルのお花型の板や、ガラス玉がついています。縫い針をまち針にする事もあります。
紛失すると危ないので、針の本数は把握しておきます。曲がった針や古い針ではうまく縫えないので、折れた針と一緒に小瓶やフィルムケースに入れて、針供養に持っていきます。

